安倍龍太郎
ネット依存型の万能感というものがあります。
ネット上で自分の考えは正しいと主張し、違う意見の者に対しては批判や攻撃を繰り返す人たちがいますが、それはこうした万能感におちいっているためだと思われます。
安部も最近、友人とネット上で争い、たいへん嫌な思いをしましたので、どうしてこんな精神状態におちいるのか考えてみました。
それは次の五つのステップで進行するのではないかと思われます。
a、ネットによる表面的な知識の採集。
b、採集した知識を元に作り上げた結論が正しいとの思い込み。自己肯定の願望。
c、共感するネット仲間との、心地好い交信による自己達成感。
d、異論をとなえる相手への反発と攻撃。
e、自分が間違っていると分かっても、bの正しさにしがみつこうとする執着。
たとえばネット右翼と呼ばれる人たちは、こうした万能感にとらわれている一例ではないでしょうか。
それ以上に恐ろしいのは、こうした精神状態を利用して大衆を操ろうとする悪賢い者たちがいることです。
ネット詐欺、新興宗教の勧誘、政治的プロパガンダ、ネット女子のかどわかし……etc.
政治的プロパガンダの代表はトランプ大統領ではないかと思います。彼はツイッターで意見を発信する史上初の大統領ですが、その背後にはネット依存型万能感を利用して、有権者を洗脳しようとするプロのチームがいるような気がしてなりません。
コロナ禍をきっかけにしてネット授業が押し進められようとしていますが、ネットにはこうした問題があることもしっかりと認識し、それに打ち克つ予防教育をしておくべきだと思います。
